弊社では、家族の問題を根本から解決することを理念としているため、万全の準備のもと「危機介入」を行います。その内容は、事前の「視察調査」「エビデンス(証拠)資料の作成」「行政機関・医療機関との連携(病院確保)」、そして当日の「精神障害者移送サービス」になります。
視察調査
視察調査とは、対象者(本人)を適切な医療や福祉につなげるにあたり、根幹をなす業務です。
現在の精神科医療においては、入院治療を受けるまでのハードルが非常に高くなっており、関係機関の協力を得るためにも、本人の現状を正確に伝えることが必須となっています。
しかし最近は、家族間でも「個」が尊重されるようになり、本人に関する事実を家族が把握できていないことが増えています。インターネットやSNSの普及により、本人が家族との接触を完全に避けることが可能になり、病状を隠しやすくなっているともいえます。
このままでは本人を適切な医療につなげることは難しく、仮につなげることができたとしても、真の回復や自立を待たずに退院ということにもなりかねません。そこで弊社では、業務を請けることが決まった段階から、おおよそ1~2ヶ月の期間をかけて、専門の調査スタッフによる視察調査をおこないます。
視察調査業務のおもな内容
- 対象者の外出時における行動を視察調査します
- 対象者の不在時に室内の様子を確認します
- 対象者が家庭内にひきこもっている場合、ご家族の協力のもと、室内での言動を録音・録画します
- 対象者を精神科病院に移送した後、私物を精査・分析します
◎対象者の外出時における行動の視察調査
本人が外出をしている場合、外出時の様子を視察します。独語や空笑など妄想や幻覚の症状とおぼしき言動や、強迫的な行動パターンなど、精神疾患の症状にとくに留意して調査を行います。人を極端に避けて行動する、第三者に攻撃的であるなど、対人関係の特徴も見えてきます。
◎対象者の不在時に、室内の様子を確認
本人が外出をしている間に、自宅や自室の様子を確認します。家族に強要して同じ物を大量に購入している(室内に山積している)、壁の穴や家族の衣類を引き裂くなど暴力的な言動の片鱗、アルコールや薬物を乱用した形跡などが見つかることがあります。また、部屋が片付けられずにゴミだらけである、室内で排泄しているなど、著しく不衛生な環境で生活していることもあります。
◎対象者が家庭にひきこもっている場合、家族の協力のもと、室内での言動を録音・録画する
ほとんど外出しないひきこもりのケースでは、第三者が、本人の現状や精神疾患の有無を確認することは至難の業です。かといって家族の話だけを鵜呑みにしては、病気ではない方を医療につないでしまうなど、誤った介入を引き起こしかねません。そこで完全ひきこもりのケースであっても、ご家族の協力のもと、本人との会話の録音や、自宅内での本人の様子の録画をおこないます。
◎対象者を精神科病院に移送した後、私物を精査・分析
本人をぶじに医療につなげられたあとには、自宅や室内の私物調査をおこないます。事前の視察調査の内容も含めて、医師が精神疾患の症状について判断する貴重な資料となります。過去の事例では、本人が被害妄想により第三者に執拗にクレームのメールを送っていたケースや、妄想に基づく殺人リストを作成し、室内に凶器を隠し持っていたケースなどもありました。
また病状だけでなく、趣味嗜好や過去の対人関係なども分かります。今後、支援者が本人と人間関係を育むにあたり、貴重な資料となります。
視察調査の結果、対象者が精神疾患であるとの診断がつかないと思われる場合には、それを踏まえてのご提案をさせていただきます。
視察調査中に、対象者の違法行為や、家族の自己都合による隠蔽等が発覚した場合には、業務を中止し、110番通報などしかるべき措置をとります。
エビデンス(証拠)資料の作成
視察調査で把握した本人の病状、ならびに生活状況、交友関係、趣味嗜好などを、文書・音声・画像・映像として資料化し、関係機関(医療機関や行政機関、警察など)に提出します。
◎医療機関に提出し、医師が病気の有無や症状の程度を判断するためのエビデンスとする
この資料では、視察調査中に記録した膨大な画像や映像、音声を元に、本人の行動を子細に渡り報告します。家族も把握していなかった病的な言動も含まれるため、医師に精神疾患の有無や症状の程度を判断してもらうにあたり、重要なエビデンス(根拠)となります。
※資料の写真
◎行政機関(保健所や警察など)に提出し、協力を仰ぐ際の重要なエビデンスとする
同じく行政機関の協力を仰ぐに当たっても、エビデンスとして活用します。弊社の経験から、家族の言葉だけでは本人の病状をうまく説明できておらず、対応した職員に危機感が伝わっていないことも多く見受けられます。資料を持参することで、本人の現状をあますことなく伝えることができます。
◎医療機関のスタッフ(看護師やケースワーカー)が、対象者とコミュニケーションをとる際の一助となる
資料には、本人の日頃の様子だけでなく、自宅や自室の写真もできる限り掲載します。入院前の本人の言動や、室内の様子は家族が積極的に伝えない限り、医療従事者も知ることのできない部分です。それを伝えることで、医療従事者に本人の人物像をすみずみまで理解してもらうことができ、今後の人間関係を育む際の礎となります。
行政・医療機関との連携(病院確保)
入院先の精神科病院を確保するに当たっては、まずは保健所に相談にいき、紹介をしてもらうことが基本です。(入院施設のない)クリニック等にすでに通院している方に関しては、主治医に相談し、入院できる病院を紹介してもらいます。
しかし現在では、入院治療を受けることのハードルが高くなっており、とくに、本人に病識がなく治療を拒んでいる/入退院を繰り返している/問題行動が多いなど、「対応困難な患者である」と判断された場合、入院治療を受けられる精神科病院を見つけることは、非常に困難です。
また、早期退院が主流の現在では、入院中から行政および民間の支援団体とも連携をはかり、退院後の環境を整える準備も必要となります。
そのため弊社では、ご家族に同行して行政機関(保健所や警察署)にも協力を仰ぎ、病院と交渉にあたるなど、関係機関との連携をサポートいたします。
病院確保のおもな業務内容
- 家族と一緒に行政機関に相談に行くなどし、対象者に合った医療機関を選定する
- 対象者に通院歴がある(入院施設のない病院に通っている)場合には、家族に同行し主治医に交渉する
- 視察調査の結果(エビデンス)を元に、家族とともに医療機関に相談に赴き、対象者が入院治療を受けられるよう交渉する
精神障害者移送サービス【説得】
ヒアリング及び視察・調査の結果、精神科病院での治療が必要だと考えられる場合には、危機介入(精神障害者移送サービス)のご提案をいたします。
弊社では、事前の丁寧なヒアリング、視察調査を経るからこそ、徹底した危機管理・コンプライアンス遵守に基づく解決策を提示することができます。この総合的なサービスこそ、弊社の精神障害者移送サービスが他の民間移送会社と大きく異なるところです。
精神障害者移送サービス【説得】のおもな内容
- 当日の危機的状況に備えて、家族とともに行政機関(保健所や警察署など)に相談に赴き、協力を要請する
- 近隣住民への挨拶
- Xデー(入院日)が決定したら、3日~1週間より現地入りし、自宅周辺で待機。不測の事態に備え、継続して視察業務を行う
- 当日の説得、民間救急車両を利用しての移送業務
- 入院に際しての手続き(医療機関から家族へのヒアリング)への同席
- 診察の際に医師から同席を求められた場合、移送中に判明した新たな事実も含め情報を伝える
サービスをご希望の方は、まずは電話相談(有料・予約制)をお受け下さい。電話相談の詳細はこちらになります。